相続税制の改正の影響

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■十五人に一人

身内に不幸があっても、一般家庭では、相続税の課税対象となることはほとんどありません。

これは、我が国の相続税の課税最低限度が妻と子供二人の標準世帯の場合、八千万円を超えるような財産を持たない限り相続税の対象とならないためです。

事実、平成21年度の死亡者110万人に対して、相続税の課税対象となった方は、4万6千人程度です。

これは、死亡者全体に対して24人に一人の割合でしか相続税との付き合いはなかったということなのです。

それゆえ、一般家庭のほとんどの方は相続税と無縁と考えられてきました。

しかし、平成23年度の税制改正案では、相続税の課税最低限度が40%カットされ、先の標準世帯の場合、これまでの8000万円から4800万円と大幅にハードルが下がりました。

その結果、相続税の課税対象者が、従来の二十四人に一人程度から、15人に一人程度にまで増加することが予想されており、相続税もかなり身近な存在となることが確かです。

■死亡保険金の非課税枠

死亡保険金は、相続人が受取人として指定されている場合、もともと相続人の固有の財産であり、相続税の対象にすることができないはずですが、課税上の均衡を図るという趣旨で、死亡保険金も相続税の対象となっています。

ただ、死亡保険金には「法定相続人数×5百万円」相当額の控除があったために、一般的な死亡保険金の場合には、あまり相続税の課税対象となることはなかったのです。

ところが、今回の改正では、独立して生活している二十歳以上の子供は控除額の計算には参入されなくなる可能性があり、死亡保険金に相続税が課されるケースが多くなることが考えられます。

このような相続税をはじめとする大きな制度改正がおこなわれるときには、保険の契約者ばかりでなく、保険の受取人も、どのような改正の影響が生じるかが心配になるものです。

残された大切な財産に対してどの程度の相続税がかかるのか、金額は算定できなくても、お客様への注意喚起が必要になってくると思われます。

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